「柴垣医院 自由が丘」は、1975年に初代院長が開院した歴史ある人工透析内科クリニック。アクセス至便な自由が丘駅から徒歩1分という立地に加え、夜間透析や、2013年からの腹膜透析外来の導入、在宅医療の実施など、患者のニーズを積極的に汲み取る運営ポリシーで、開院以来40年以上にわたり地域医療に貢献してきました。さらに2016年からは、新しく着任した宮本研院長の優しい人柄と医療への情熱も「柴垣医院 自由が丘」の大きな魅力として加わっています。その宮本院長にお話を伺いました。

——柴垣医院の特徴の一つとして、腹膜透析がありますね。

柴垣医院はもともと、血液透析専門の外来クリニックとして創設され、以来ずっと血液透析を専門的に診てきたのですが、2013年から週に一回の定期外来ではありますが、腹膜透析というもう一つの透析治療も実施するようになりました。
 この二つは、方法がまったく違います。血液透析は、いったん機械で体外に取り出した血液を、たくさんの清潔なお水を用いて浄化する治療法です。もう一つの腹膜透析は、お腹の中に通した長いストローから、点滴液のような袋に入った透析液を注入して、その液体を出し入れすることを繰り返して体内をきれいにする方法です。基本的には在宅で行う治療法になりますね。腹膜透析は、血液透析のようにぐるぐると血液を循環させるということをしないので、心臓が弱い方には負担が少ないと言われています。
 腹膜透析は、基本的には月1回(4週間に1回)通院していただくという形になります。一方で、血液透析の場合は週に3回、1回4時間の治療が基本です。時間の自由度はかなり違いますよね。ただし、血液透析の場合はクリニックに来ている時間だけが治療の時間ですけれども、腹膜透析はずっと、概ね24時間連続でやらなければいけませんので、透析の休みは非常に少ないんですね。
 ですから、両方のよいところを組み合わせて、週1回だけ血液透析を受けにきて、週に6日は腹膜透析をやるという選択肢もあります。そういう、混合型のハイブリッド透析をやっている患者さんもうちのクリニックでは何名かいらっしゃいます。混合型は、現在は保険適用になりました。
 腹膜透析外来は、慶應義塾大学医学部の鷲田直輝先生という専門のドクターに週1回いらしていただいています。腹膜透析を受けている患者さんは最新の統計調査でも、1万人に届きません。血液透析を受けている患者さんが約32万人なので、全体の3%前後ということになり、患者さんの数自体は少ないのですが、腹膜透析を選ぶ方、選べない方、またどんな生活を望むのかなど、患者さんの側にはいろいろな事情があるので、そこにきめ細かく対応できるのはよいことだと思います。

——確かに、患者の立場からすると、選択の幅が広いのはとても嬉しいことです。そういう意味では、現役世代の患者さんには夜間透析のニーズも高そうですね。

柴垣医院では自由が丘と戸越で、夜10時半までの夜間透析も実施しています。夜間透析は、現役世代の患者さんを対象にして昔からありますが、実は近年、ややニーズが減ってきているようです。患者さん全体の高齢化が進み、透析開始時からすでにご年配の患者さんが多くなるにつれて「日中で透析を済ませたい」「夜遅くまでの治療はしんどい」という声が増えています。これは他の医療機関でも同様の傾向で、現在、夜間透析は全体の12.9%です。8割以上が日中の透析なんですね。でもやはり、うちはまだまだ夜間帯に患者さんが通っていらっしゃいますので、今後も続けていくべきだと思います。
 日々接している患者さんたちから学ぶことは多々あるのですが、現在は、医療的な事情よりも社会福祉的な事情のほうが、私たち透析専門医がフォローすべき問題のウエイトとしては大きくなっている気がします。

透析内科 柴垣医院 自由が丘

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