ニキビの治療がやっと終わってもニキビ痕になってしまい、困ってらっしゃる方は多いと思います。
目次
ニキビ痕とは?
ニキビ痕は、炎症後の赤み、色素沈着、盛り上がり(肥厚性瘢痕)などいろいろありますが、最も問題になるのは、クレーター(陥凹性瘢痕)ではないでしょうか?クレーターは、放っておいてもあまり良くなることはないので、成人してからも悩んでいる方が多いのが現状です。
クレーターは現在も決定的な治療はなく、完治は困難ですが、いろいろな治療を組み合わせて、改善を目指しますことは可能です。
主な治療法としては)
クレーターにはフラクショナルレーザー、マイクロニードルを使った治療(ダーマペン、ダーマローラー)、手術療法などが考案されています。
フラクショナルレーザーとは?)
フラクショナルレーザーとは、皮膚に点状にレーザーを照射し熱エネルギーを与え、変性させることで、新しい皮膚の再生を促す治療です。2004年にMansteinらが新しいレーザー治療として紹介して以来、急速に発展しました。フラクショナルレーザーにはアブレイティブタイプ(皮膚表面に穴が開くタイプ)とノンアルレイティブタイプ(皮膚表面に穴があかないタイプ)があります。一般的にはアブレイティブタイプの方が、効果が高く、その分、ダウンタイムが長い、と言えます。それぞれのタイプに数種類のレーザーの波長があり、目的に応じて、使い分けることが多いです.
フラクショナルレーザーの効果は?)
フラクショナルレーザーはシワや妊娠線、毛穴など様々な治療に応用されていますが、ニキビ痕のクレーターに用いられることが多いです。皮膚の表面にフラクショナルレーザーを照射することで、皮膚に点状の小さな火傷を無数に作ります。そうすることで、皮膚の線維芽細胞と呼ばれるコラーゲンや弾性線維を作っている細胞が活性化し、皮膚の再生を促します。その結果、ニキビ痕の陥凹が盛り上がり、スムーズになることが期待されます、
軽症の方には効果を実感しやすいかと思います。
マイクロニードルとは?)
マイクロニードルを使った治療は、1997年にCamirand Aらによって報告された方法で、微小な針を使い、皮膚に小さな穴を開けることで、皮膚の再生を促し瘢痕の治療につなげる方法です。
主な手技法として
◆ダーマローラー:ローラーの上に小さな針が付いて、皮膚の上を転がすことで、皮膚の表面に多数の微小な穴を開ける方法
◆ダーマペン:ペン先に微小な針が何本か付いており、高速で針を抜き差しする方法が一般的です。
マイクロニードルの効果は?
原理的にはフラクショナルレーザーと似ており、皮膚に物理的に微小な穴を開けることで、皮膚の再生を促します。こちらもニキビ痕のクレーターをスムーズにする効果があり、こちらも軽症の方には効果を実感しやすいかと思います。
では中等度以上の方はどうすればいいかというと、皮膚移植や切除縫合術といった手術療法、サブシジョンなどの新しい手術方法が行われることが増えてきました。次回に続きます。