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眼瞼の痙攣症状で見逃してはいけないサイン。

不意にまぶたがピクピクして、なかなか治まらない・・。何度かこのような症状を繰り返す人は要注意かもしれません。
ほとんどの場合は、ストレスや疲れ目が原因で症状が出る「眼瞼ミオキミア」と呼ばれる状態で、疲れ目や乾燥に伴い生じることがほとんどであり、怖い病気に発展する心配はないのでご安心を。軽い症状を含めると、実に数十万人以上の方が同じような症状を自覚したことがあるとも言われますが、最近は特にスマホの使いすぎや長時間のPC利用などで症状を自覚する人が一気に増えています。しかし、中には眼瞼ミオキミアとは異なる怖い病気の”前兆”である場合もあるので注意が必要です。

受診したほうが良いかどうかの見極めは?

目がピクピクする3つの病気。あなたの症状はどのタイプでしょうか。また、受診しないと危険な状況とは一体どのタイプなのでしょうか。症状別に分けてみましょう。

① 上眼瞼もしくは下眼瞼のみが”ピクピク”タイプ
【眼瞼ミオキミア(眼部ミオキミア,眼輪筋ミオキミア,eyelid myokymia)】

眼瞼では虫が這うように上眼瞼または下眼瞼の一部のみがピクピクと動き、通常は片側だけに起こることが多いです。健常者でも眼精疲労やストレス、睡眠不足などが原因で生じやすいものです。通常は良性で、数日から数週間で自然に治まる場合が多く、「眼瞼がけいれんする」 と訴える場合の多は本症である場合がほとんどです。治療は、基本的に”目を休めること”に注力し、閉眼した状態でまぶたの上からの軽いマッサージ、温かいタオル等で眼輪筋をほぐすなども症状改善に繋がります。症状が頻回に及ぶ場合は、抗痙攣薬を一次的に服用していただくこともあります。

② 片方目の周囲でさざ波状の軽い痙攣が起こるタイプ
【片側顔面けいれん】

初期の下眼瞼の痙攣から始まり、次第に同側頬や口元、あごへと痙攣が広がっていきます。初期には下眼瞼の痙攣が多いため、眼瞼痙攣と誤診されやすいですが、進行すれば頬・口角・下顎へと徐々にけいれん部位が拡大していきます。また、右側より左側の発症が有意に多いことも特徴です。脳幹から出た顔面神経を、何らかの動脈が圧迫するなどの障害によって起こると考えられていますし、脳梗塞の初期症状として同じような症状を起こすことがあるため、MRIなど詳しい検査を受けていただくことが得策です。

③ 下眼瞼から始まり、次第に両目の上下眼瞼までも同じように痙攣するタイプ
【眼瞼痙攣】

眼輪筋が異常に、意志とは関係のない収縮を起こすもの。また、攣縮が他の顔面筋やさらに舌・咽頭・頸部筋にまで及ぶものを Meige 症候群と呼ぶこともあります。痙攣回数の増加、症状の悪化により、突然まぶたが開かなくなり、機能的な失明状態になってしまう危険性もあります。また、本症の約 10% が Parkinson 病に発展するとの研究データもあるため、症状の進行を認める場合は、神経内科や脳神経外科の受診をお勧めします。治療法としては、軽度であれば、パーキンソン病治療薬や精神安定剤、筋弛緩薬、抗てんかん薬などを使用します。しかし、重度の場合は、眼輪筋部分切除術や、眼輪筋を支配している神経の切断手術など外科的治療を行うこともあります。この他、近年では「ボツリヌストキシン療法」も盛んに行われています。これは、痙攣している瞼の筋肉にA型ボツリヌス毒素製剤を注射し、筋収縮に関与する神経伝達物質(アセチルコリン)の放出を抑制することで痙攣を止める治療法です。

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眼をいたわる気持ちを大切に

これまで、眼の痙攣を主訴とした病気・症状を中心にご紹介しましたが、基本的には眼の健康を維持することが最も大切。眼の健康に良いとされる食べ物や栄養素をたっぷり摂り、健康でイキイキした眼の輝きを維持していきましょう。

【目の健康に特に効果のある食べ物】

☆アントシアニン☆
視覚情報を伝えるたんぱく質「ロドプシン」の再合成をサポートする成分。夜間の視力アップや眼精疲労の回復にも効果が期待できます。この他目の焦点を調節する毛様体筋の緊張を和らげ、一時的な近視を防ぎます。

☆ルテイン☆
水晶体や網膜の酸化・紫外線によるダメージを防止すると言われており、目の老化が原因の白内障や飛蚊症、黄班変性症の予防にもつながると注目されている成分です。

☆ビタミンA☆
涙生成に重要な働きをする粘膜の形成や修復を助けるムチン層(涙の一部)の生成に働きかける効果が期待できます。

☆ビタミンB群☆
ビタミンB1:目の周辺の筋肉の疲れを和らげるため、眼性疲労だけでなく眼瞼痙攣にも有効
ビタミンB2:目の粘膜の正常化に効果的
ビタミンB6:水晶体の代謝と免疫機能を高める作用があるといわれています。
ビタミンB12:視神経の機能を正常にする働きを持ちます。

眼瞼けいれんガイドライン

眼瞼けいれんに関しては眼科学よりガイドラインも発表されています。医師向けの内容ですが、症状など気になる方はご一読してみてはいかがでしょうか。

http://www.nichigan.or.jp/member/guideline/keiren.jsp