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BeriBeri(ベリべリ)って、何なのでしょうか。

Beriberi という病気をご存知ですか。

ベリベリ?と聞くと、病気とは思えないのですが、日本語では「脚気」といいます。
日本でも戦前に栄養摂取が十分に行えない環境で脚気という病気が数多く報告されていました。その後、日本は高度成長の後、栄養状態も良くなりこのような病気が激減りしたのです。ところが、近年、脚気の患者さんが増加しているという不思議な現象が起こっているのです。

脚気と「ビタミンB1」の関係

脚気の原因は、実は”ビタミンB1”不足です。
ビタミンB1の働きは、糖質からのエネルギー産生を助ける他、皮膚や粘膜の健康維持を助ける働きをします。また糖質を栄養源として使っている脳神経系の正常な働きにも大きく関係しています。ビタミンB1不足でエネルギーが必要量満たされないと、脳は中枢神経、末梢神経のコントロールを十分にできなくなるため、精神不安定、集中力低下やイライラ・不安感の増大、運動神経の低下を招きます。その他末梢神経、中枢神経が支配するさまざまな活動に悪影響を及ぼします。

夏こそビタミンB1の十分な補充を心掛けましょう。

この大切な働きをするビタミンB1ですが、夏場に不足しがちになることをご存知ですか。ビタミンB1は”水溶性”ビタミンの一種です。そのため、汗をたくさんかく夏場はビタミンB1も体外に逃げてしまいやすくなります。また、食欲がなくなり麺類や清涼飲料水など (糖質)の摂取が多くなってしまうことで、糖質の分解を活発しエネルギー産生活動が増えるため、ビタミンB1も消費されやすくなります。そのため、夏場こそビタミンB1のこまめな摂取を心掛けましょう。

ビタミンB1不足が起こりえる状況とは。

夏場にビタミンB1不足が起こりやすいことは先に述べましたが、病的な不足状態を起こし、ひいては”脚気”を発症しやすくしてしまう状況とは一体どのような状態なのでしょうか。

代表的な例としては、①インスタント食品・清涼飲料水の飲み過ぎ②アルコール多飲③利尿剤の長期投与(服用)④妊娠中の強いつわり などが挙げられます。

①②ビタミンB1は糖質を分解するにあたりとても重要な働きをします。そのため、ビタミンが不足しがちな食生活を送ることや、インスタント食品・清涼飲料水に多く含まれている糖質を分解する時、アルコールを分解する時にはビタミンB1の消費が増加します。また、アルコールを多飲されている方は、腸管からのビタミンB1吸収も阻害されるため益々不足状態が悪化してしまうのです。

③利尿剤の種類の中には、ビタミンB1(チアミン)を体外に排泄しやすくする作用も持つため注意が必要です。

④つわりが極端に強くなった場合、妊娠悪阻という状態になります。この場合、糖質の摂取不足、繰り返す嘔吐により、ビタミン B1、ビタミン K 不足を生じてしまいます。

ビタミンB1の上手な摂り方とは。

ビタミンB1は水溶性ビタミンの1種のため、調理の際に食材から流れ出てしまい、吸収されたあとも排泄されやすいという特徴があります。そのため、通常の食生活を行っていてもバランスの取れた食生活を心掛けないと、意外と不足しやすいものなのです。では、どのような食品を取り入れると、効果的にビタミンB1が摂取できるのでしょうか。次の食べ物を参考にしてお料理の献立に活かしてみましょう。

【炭水化物】胚芽を多く含む食材がベストです! 
穀類:玄米、胚芽精米、小麦胚芽、オートミールなど未精製のものがベストです。
【タンパク質】夏に積極的に摂ることをお勧めします!  
肉類:豚肉、レバー
魚介類:かつお、うなぎのかばやき
【野菜・その他】
にんにく、卵、大豆、ピーナッツ、バナナ

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