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がんの根治には「手術」が必要
がんへの治療には大きく三つあると言われています。手術・抗癌剤・放射線治療です。
最近では免疫治療や食事・サプリメント・漢方などを行っている医療機関もあるようですが、現在のところ従来の治療を凌駕する確固たるデータは不足しているようです。
がんを根治させるためには手術が必要です。
抗癌剤治療の発達や放射線と組み合わせることにより、手術に匹敵する治療効果や手術に持ち込めることも増えてきましたが、その中心はやはり手術となります。
では、手術したらどのような判断で取りきれたと判断するかみなさん御存知でしょうか。
それは、医師の眼と切除された標本を顕微鏡で確認したものとなります。従って、目に見えない微小ながん細胞が体に残っているかどうかは実際のところ分からないのです。
現在、血液中のがん細胞をとらえる技術の研究が盛んに行われていますが、実際の診療で使われるまでには至っていません。
では、どのように再発しやすいかを判断しているのでしょう。
それは、とれた標本のなかでがんの広がり具合がどうか、やリンパ節転移の有無などで病期(ステージ)分類を行って、その結果データと照らし合わせて再発の確率を出しているのです。
つまり、患者さんによっては、再発する確率がほぼない、と言われても再発することもあるし、病期が進んでいても再発しない方もいます。手術した時点では誰も正確に判断できないのが現状です。
がんの「再発」治療について
では、再発しやすいタイプと判断されたときはどうすればよいかと言いますと、がんの種類にもよりますが、再発予防の抗癌剤というものがあります。
ある一定期間行うことが通常で、延々続くものではありません。ある程度副作用ももちろん出現します。ではこれらを頑張って行ったから必ず再発しないか、というとそうではありません。
一方何もしなくても再発しないケースもあります。残念ながらそれらの区別はつかないため、十分な説明の元、可能性を信じて治療が行われているのが現状だと思います。
副作用の中には、治療が終わっても改善がなかなか難しいようなものもあります。例えば手足のしびれはその後の人生でずっと抱え込む方もおり、生活すらも出来ないぐらいまでひどくなるようでは治療の意味を今一度考えなくてはならないでしょう。
再発を抑制するメリットと、副作用で悩むデメリットを十分考えて治療導入を検討すべきと考えます。
信頼できる医師と医療スタッフとともに
それらの治療を頑張っても再発してしまう方はいます。しかし、再発しても場所や大きさ・個数によっては再度根治手術に持ち込める可能性もあります。そのためには術後も定期的にしっかりと検査を継続していく必要があります。しかし、一方で再手術が出来ない場合、治療目標を今一度考えなくてはなりません。
多くの場合、抗癌剤治療を開始することになりますが、その場合は根治はほぼ困難となり、いわゆる延命治療となります。副作用も伴います。そのため、主治医や医療スタッフとともに、何のために治療を頑張っていくか、人生の目標をどこに置くか、などをしっかりと相談していく必要があると思います。
プライベートな内容も時には相談することにもなるため、信頼出来る医師を見つけることがとても重要であると思います。治療が進歩している現代において、がんを持ちながらも生活をされている方はたくさんいます。
気持ちが落ち込み、治療の副作用に悩む毎日より、出来ることを探し前向きに生活できるようなサポート(緩和ケア)を是非治療の最初から、診断されたときから、がん治療と並行して受けていただくことを強くお勧めします。