がん検診はどんな頻度、内容でやればいい?

 2人に1人がかかるといわれる「がん」。テレビでも早期発見され手術し克服した有名人もいれば、みるみるやせ衰えていき、久しぶりのニュースで亡くなられた、という報告を目にすることもある。現在のところ根治できる可能性はほぼ手術に頼らざるを得ない状況を考えるといかに早期発見が重要かがわかる。しかし、そのための検診をいつやればいいのか、どのぐらいのペースでやればいいのかあまり理解されていないのが現状の様である。

男女別がん検診受診率の推移

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 推奨されている検診をしっかりとやっておけば安心かというと実はそうでもない。まず、現在推奨されている検診は、諸外国の大規模なEBMに則って、費用や体への負担と、死亡をどれぐらい減らすか、などを総合的に考えて組まれている。即ち「万全」ではないのだ。検査を行っても、人的エラーで見落とす可能性だってある。検査で具合が悪くなる恐れもある。そうなると、とことん可能な検査を行い続けても総合的に考えてあまりメリットがないかもしれない。お勧めとしては推奨される検診をしっかりと受けつつ、気になる症状があるときは追加の検査を行っていくこと、また1回のみではなく継続することも重要だと思われる。

 ゆっくりと進行するタイプであれば1,2年あいても治療が間に合う可能性はあるが、例えば肺癌の一部や、スキルス胃癌、膵臓癌などは、数ヵ月という時間で倍増していく性質を持っている。心配してもきりがないが、少なくとも1度検査を行ったからもう大丈夫、という考えでは、検診をやっていないのとあまり変わらないのかもしれない。

がんを疑わなければ検査は受けない

患者さんの言葉で印象の残るのがもっと検査しておけばよかった」ということと、「(別の病気で)かかっていたはずなのに、どうしてわからなかったのか・・」である。患者さんからすれば、病院に定期的にかかっていればすべて大丈夫、という気持ちもよくわかるが、がんを疑うという目線を普段持たない限りなかなか検査を適宜行うのは実際難しいと思われるため、かかりつけ医がいても検診は必須と思われる。