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肺気腫・COPD患者の90%は喫煙者
特にハードな運動をしたわけではないのに、呼吸が苦しくなって息が切れる人はいませんか?しかし、病気とは考えず「きっと年を取って体力がなくなったせいだろう」と思い込み、不自由を感じながら日々の生活を制限していませんか。
生活の質を低下させる息切れ、咳、痰。
これらの症状が慢性化しているときには、肺気腫、またはCOPD(慢性閉塞性肺疾患)と呼ばれる病気が隠れているかもしれません。
肺気腫・COPDはたばこ病ともいわれ、肺気腫と診断がでた患者様のおよそ90%は喫煙者だと言うデータが出ています。
たばこの煙に含まれる有害物質を長期間吸い込むことで、肺に炎症が起こり発病してしまうのです。
肺気腫とCOPDの違い
肺気腫は60~70歳代が多く、加齢による肺機能の低下も病気の進行に影響しています。ただし10年から20年といった長い期間にゆっくり進行するのが特徴なので、自覚症状は、出るのは遅くても、実は若い時期から病状は進んでいる、ということになるのです。
肺気腫とCOPDの違いは何かと思う方もいると思います。
簡単に言うと、炎症によって肺胞壁の破壊が進み、肺が異常に拡大する病気が「肺気腫」で、空気の通り道である気道がむくんだり、気管支の中に痰が詰まったりしてしまいます。
このような肺気腫と気管支の病気が複合的に作用して進行し、肺が正常な状態に戻らなくなる病気をCOPDといいます。
症状改善の方法
禁煙はもちろん、薬物療法、運動療法、食事療法などこれらの治療法を組み合わせることにより、病気の進行を抑え、症状の改善を目指します。
肺気腫、COPDの患者さんは健康な人と比べて多くのエネルギーを必要とします。1回の食事量を少なめにし、食事回数は、1日に4~5回とし、ポイントとしてはより多くのカロリーをとりましょう。
特に良質のたんぱく質を多く摂取するようにし、食物繊維を積極的にとりましょう。食物繊維は肺の機能を向上させ、COPDの予防につながることが最近の研究で分かってきました。
ご飯は玄米や雑穀米などをとり入れ、野菜類、海藻類、果物類を積極的にとるようにしましょう。
水分制限がなければ積極的に水分もとりましょう。水分を摂るとたんが出やすくなり、気管の衛生が保ちやすくなります。
肺気腫・COPDは治療をしなければ、徐々に進行し、咳や痰、息切れなどの症状が悪化し、重症化した後、死に至ります。適切な治療を受ければ症状は改善し、今より快適な毎日を過ごせるようになります。
治療にあたって禁煙は絶対です。禁煙をするとその効果は3日後から現れると言われています。喉の違和感、肌荒れ改善、味覚、睡眠などの報告を当院の禁煙成功者の方々から実際に受けております。
根気よく治療を続ける事が大事なので病気と向き合い、ご家族や医師と一緒に頑張りましょう。