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老人性色素斑(ろうじんせいしきそはん)と肝斑(かんぱん)について

紫外線が強まり、シミを気にされている方も多いのではないでしょうか?
シミと言っても沢山の種類があり、治療を間違えると効果が無いばかりか、かえって悪くなる事もありますので注意した方が良いかもしれません。
なかなかご自身で判断するのは難しいので、お困りの方は一度皮膚科に相談することをお勧めしたいと思います。
本日は代表的な、シミ、老人性色素斑(ろうじんせいしきそはん)と肝斑(かんぱん)について解説したいと思います。

老人性色素斑(日光性色素斑)の症状と治療法

顔や手の甲、腕など、日光によくあたる部分にできる茶色いシミで、形は決まったものがなく様々で、米粒程度のものから5cmほどの大きなものまでがあります。単発のことも多発することもあります。
 
紫外線に影響の強いシミで、紫外線などによる皮膚損傷が繰り返される事による皮膚の変化ということができます。最初は色が薄く目立ちませんが、少しずつ濃くはっきりしてきます。
通常は平らですが、時間が経つと隆起してくることもあります。

20歳代から発症することもありますが、60歳以上では必発といっていいほど一般的なシミで、シミのため皮膚科外来を受診される患者様の中で最も多いシミです。

一種の良性の腫瘍性病変ということができますので、レーザーを照射しはがしてしまうのが最も手っ取り早い方法です。
レーザー治療を行えば1〜2週間ほどでかさぶたになってしまいますので、それが困る、という方はつけ薬やフォト治療などで薄くする事は可能です。

市販されているような飲み薬はほとんど効きません。

肝斑(かんぱん)の症状と治療法

老人性色素斑と同じくらい患者さんが多いのが肝斑です。肝斑は、老人性色素斑とは原因も治療も全く異なるので注意が必要です。
頬や眼の下、額などに左右対称にみられる薄茶色のシミです。

30代〜60代の女性に多くみられます。男性にはほとんど見られず、妊娠によって悪化するため、女性ホルモンによる影響が原因の一つとして考えられています。またクレンジング等による皮膚の過度な摩擦、肌に合わない化粧品による慢性炎症が原因の可能性もあるとされています。

その他にも、日焼けによって増悪することもあります。

老人性色素斑と異なり、肝斑はレーザー治療を行うとかえって悪化する事が知られています。
治療はトラネキサム酸の内服が中心となります(市販もされています)。

トラネキサム酸は副作用の少ない内服薬ですが長期間飲まないと効果が出ないという欠点があります。そのため早く治療したいという場合は、美白クリームやピーリング、イオン導入、レーザートーニングと言った美容皮膚科の治療を行う事もあります。
ただ、美白クリームなどは、もしかぶれてしまうと肝斑が悪化するので注意が必要です。

このように代表的な2つのシミでも大きく原因、治療法が異なる事が分かっていただけたかと思います。

その他のシミについては次回解説したいと思います。