今回は妊娠中及び授乳中の方の歯科治療について書いてみたいと思います。それらのステージの方によく〈レントゲン写真について〉〈麻酔について〉〈飲み薬について〉質問を受けます。特によく質問を受けるこの3つについて順番に書いてみたいと思います。

目次

① レントゲン写真について

レントゲン写真は撮影場所がお口の中で、赤ちゃんが健やかに成長しているお母様のお腹からは十分距離が離れていますし、しっかりとした防護エプロンもすれば何も問題はありません。さらに今ではデジタルレントゲンを用いてレントゲン撮影をしている歯科医院がかなり増えてきています。デジタルレントゲンはフィルム式のアナログ撮影の場合に比べて被爆量が1/10以下に減少します。万が一それでも心配な方は遠慮なく担当医の先生におっしゃってください。撮影せずに処置することも可能なことはもちろんありますが、レントゲン写真があったほうがより正確な診断ができることはご理解ください。

② 麻酔について

虫歯の治療で麻酔を用いることがありますが、妊娠中・授乳中の方の中には麻酔について心配される方もいらっしゃいます。ですが麻酔も全く心配しなくていいと思います。麻酔を打ったからと言ってお母様のお腹の中にいる赤ちゃんには影響を与えませんし、麻酔の薬液が授乳することによって赤ちゃんの口の中に入ることもありません。逆にお腹の中の赤ちゃんのことを考え、お母様が麻酔を使わず過度に強い痛みを長時間治療感じ続け、母体が強いストレスを受けることによって赤ちゃんが受ける影響の方がよほど心配です。

③ 飲み薬について

レントゲン写真と麻酔は妊娠中・授乳中の方でも特に問題ないと書きましたが、お薬だけはしっかり主治医の先生と相談をしてください。場合によっては担当の歯科医師だけでなく、かかっている産婦人科の先生にも相談をした方がいいこともあります。痛み止め(頓服)より化膿止め(抗生剤)のほうが注意が必要と言われます。妊娠中・授乳中の方で薬を飲んだ方がいい場合は、しっかり相談をし説明を受けて下さい。