末期の大腸がんと告白した今井雅之=舞台『THE WINDS OF GOD』ゲネプロ前記者会見 (C)ORICON NewS inc.

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回復に向かっているものと思っていましたが

先日、俳優の今井雅之さんが「大腸がん」であったことを公表されました。
以前の会見では「腸閉塞」であったと言っており、「大腸がん」であることは隠されていたようです。回復の見込みがあったからでしょうが、現実はステージ4という末期状態であり、ご自身の主催されている舞台『THE WINDS OF GOD』の降板も決定しました。

「大腸がん」患者は年々増加

日本における「大腸がん」患者増加の理由としては、2点あげられます。

1.平均寿命の高齢化

大腸がん患者のほとんどが50歳以上と言われております。平均寿命が延びれば、必然的に患者数も増えるのは当たり前だと言えるでしょう。

2.食習慣が欧米化

大腸がんの発生要因の一つとして考えられているものは、高脂肪、低繊維食である食の欧米化です。脂肪を摂取すると消化酵素である胆汁が分泌されますが、胆汁に含まれる「胆汁酸」が発がんに関与してるのだとも言われております。また、食物繊維不足ゆえに便が腸内に留まる時間が長くなり、発がんリスクが高くなってきているとも考えられています。

早期発見が重要

大腸がんは、早期に発見することができれば完全に治る可能性が高い病気です。
自覚症状が無い場合でも、定期的ながん検診を受けることによって早期発見に繋げることは十分に可能なのです。

大腸ガンの初期症状は?

大腸がんの自覚症状は実は様々です。それは、大腸のどの場所にがんができるかによって異なってくるからです。また、早期の大腸がんでは、自覚症状はほとんど認められないため、注意が必要です。

 大腸がんの発見につながる主な症状としては、腫瘍、潰瘍病変からの出血によって起こる下血・血便(出血が便に混ざること)です。また、少量とはいえ持続する出血に伴い、貧血が起きることも重要なサインとなります。その他、がん自体が腫大(発育)することにより、腸管の内側が狭くなり、便秘や腹痛、通過障害(腸閉塞)を起こすこともあります。

がんの発症部位により、異なる症状が現れます。

大腸は、お腹の右側から左側にかけて大きく湾曲しており、上行結腸・横行結腸・下行結腸と大きく分かれます。その後、肛門側へむけS状結腸、最後に直腸、肛門とつながります。

 上行結腸や横行結腸にできたがんは、便がまだ固くないため、腸管の径が狭くても腹痛などを起こしにくく、早期発見が難しい場合があります。そのため、病状が進行してから見つかることが多いとされています。がんが大きくなると、出血、しこりを感じたりすることがあります。

 下行結腸やS状結腸にがんができると、血便、下血が認められます。上行結腸や横行結腸より便が固いため、腸管の内径が狭くなると、腹痛や便秘を起こしたり、腸管の内側が完全に閉塞してしまう腸閉塞(イレウス)と呼ばれる症状を起こすこともあります。

 S状結腸や肛門に非常に近い直腸にがんができた場合には、鮮やかな赤色の血便、排便後にも改善しない便意(残便感)を感じます。また、便の性状が変化し、細い便が出たり、便秘や下痢を繰り返したりすることもあります。

早期発見につなげるためには?

上記でも記載しましたが、大腸がんの初期症状として、血便の有無はとても大切です。
そのため、健康診断や定期的な受診を行い、便潜血検査を受けるだけで、大腸がん早期発見につなげることも可能です。年1回の検査を行い、定期的なチェックを行うだけで、大腸がんの死亡率は60~80%も下がると言われています。

もし、血便が確認されたら、指診による痔核の有無の確認、大腸内視鏡検査による詳しい検査で病変の有無を確認します。大腸内視鏡検査では、肛門から内視鏡を挿入して大腸を詳細に調べます。ポリープ等の病変が見つかれば、悪性か良性かどうかを調べるために病変の一部を採取して、悪性度を調べることもあります。
その他、注腸X線検査といって、肛門から「バリウム」と「空気」を注入することで、腸管の形状変化や粘膜の不整などを確認するためのX線写真をとることもあります。

大腸内視鏡検査など、いきなり行うことには、少し抵抗があるかもしれません。しかし、便潜血の有無や便の性状の観察など、日頃の生活の中で少し気をつければできることは、実は一番大切なこと。ぜひ、大腸がんの早期発見のためにも、便を観察することから始めてみてはいかがでしょうか。