昨今、アンチエージングがじわじわと浸透しブームになりつつあります。
老化とは身体の酸化であり皮膚をはじめとして多くの組織が衰えていきます。
その中でも私ども歯科医院が出来るアンチエージングと健康について今回書いてみたいと思います。
目次
口は重要な免疫器官です
口の中は、食べ物を味わったり、かみ砕いたり、唾液を出したり、砕いた食べ物を飲み込んだりする他細菌などの侵入に対する第一関門としての重要な免疫器官としての役割も果たしています。
口の中の老化としては様々なものがありますが、たとえば味覚が徐々に衰えてきたり、唾液が出なくなり口腔乾燥症が増加してきたりします。歯を失うことにより、食べにくくなり、ひいては認知機能の低下につながります。
うまく飲み込めなくなると誤嚥性肺炎(ごえんせいはいえん)を起こしやすくなり、命を縮めかねません。実際、癌や重篤な病気などで長期に入院している方の直接の死因は癌ではなくこの誤嚥性肺炎によるものが少なくありません。
「歯」を残すことも、より良く生きる事なんです
生涯自分の歯でおいしく食べることを目指して「8020運動」が展開されています。しかしながら現状としては80歳で7、8本ぐらいの歯しか残っていません。
歯がないと食べ物をうまくかみ砕くことが出来なくなり食べ物による窒息を招く場合があります。
また、残っている歯が9本以下の人は17本以上残っている人の6倍以上も認知症になりやすいことが調査でわかっています。また、寝たきり率や病気になりやすい率も歯が残っている人とそうでない人の間に大きな差があります。つまり、よく噛むことが認知機能の低下を防ぎ、健康的な老後を送る上で大切なことになります。
より良く生きることは当たり前のようにおいしくご飯を食べて、楽しい会話をし、行きたいところに行き、やりたいことをできることです。自分の歯をできるだけ残す努力をすること、例えば歯周病や虫歯にならないように、もしくは進行しないように定期検診に確実に通うこと(メンテナンス)があります。また、残念ながら歯を失った時、入れ歯にならないようにできるだけ歯を削らない処置をすること(インプラントなど)や歯並びを整えてトラブルを起こしにくくする(矯正)も大変有効です。
自分が投資した時間とお金は将来必ずいい結果をもたらします。是非関心を持つことから始めてみましょう。
新しいところでは歯周病予防や体質改善のため口の中の菌のコントロールすることによって体の中の菌バランスを整えることができます。
腸内細菌のバランスが整うと免疫力が大きく改善することがわかっております。日頃から意識することが健康の第一歩です。