初秋から冬に多くなる呼吸器疾患のひとつに「マイコプラズマ肺炎」があります。

目次

マイコプラズマ肺炎とは

マイコプラズマの正式名称は「Mycoplasma pneumoniae」という名称で実は微生物なのです。
微生物なのでウイルスより大きく、細菌より小さく、ウイルスにも細菌にもない性質を持っています。
ウィルスと微生物の違いはと言うと、ウイルスは人の細胞の中でしか増えません。
ですが、マイコプラズマ肺炎はウイルスとは違い、栄養さえあれば人の細胞外でも増えてしまうのでとても厄介な存在なのです。
また、細菌は体を保つために細胞でいう膜のような壁が外側にありますが、マイコプラズマ肺炎には壁がありません。
代表的な抗生物質(ペニシリン、セフェム系など)の多くは細菌にある壁を破壊して
細菌を排除する作用を持ちます。
ですが、これらの抗生物質では壁の無いマイコプラズマに対して全く効果がないのです。

マイコプラズマ肺炎の症状

主な症状としては
・ノドの痛み
・鼻水、鼻づまり
・37℃程度の微熱から39℃以上の高熱
・咳、痰のからむ咳(解熱しても1ヶ月近く続く症状)
・喘息の悪化、喘鳴(ゼイゼイ・ゴロゴロ・ヒューヒューといった呼吸)
・呼吸がしにくい呼吸困難
主に気道に感染してしまうのですが呼吸系に感染すると、上気道炎・咽頭炎・気管支炎・肺炎になります。
症状が比較的軽く済むケースが多いため、自覚が無いまま拡散してしまうことが多い病気です。
ですが、放っておいてしまうと、合併症を引き起こし、中耳炎、副鼻腔炎などもみられることがあるので注意が必要です。
感染から発症までの潜伏期間は1~3週間ぐらいです。
季節では秋から冬に多いので、今現在、実はすでに感染してしまっている人もいる可能性があります。
感染経路はおもに唾液や咳で、集団生活で感染が広がりやすい病気のひとつです。
発症年齢は8~9歳がピークと言われておりますが、保育園や幼稚園でも感染するので気を付けましょう。
乳幼児に感染した場合は風邪程度で済みますが、学童期頃になると肺炎を起こします。
同じように大人が感染した場合も肺炎になります。
実は、免疫力が強いほど、肺炎になりやすいのです。

マイコプラズマ肺炎の予防法・治療法

では、予防するにはどうすればいいでしょうか?
まずは基本的な「うがい・手洗い・マスク」が有効です。

治療法としてはマクロライド系の抗生物質が有効で処方されます。
マイコプラズマ肺炎は呼吸系だけでなく、肝炎・脳炎・多型滲出性紅斑などにかかる可能性もありますので、市販薬に頼らず、早めに受診しましょう。