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アルコール誘発喘息とは?
成人の気管支喘息は、過去30年間で約3倍にも増加したといわれており、40歳を過ぎてから初めて発症するようなケースも決して珍しくありません。そしてこれからの季節、暑くなってくるとともにアルコール摂取の機会が増えてきますよね?
暑い時に飲むビールはおいしいですが、アルコールを飲みすぎると、喘息の症状が悪くなることがあります。喘息発作を誘発する原因の1番は、風邪ですが、その次に言われているのが、実は「飲酒」なのです。そして飲酒によって起きてしまう発作をアルコール誘発喘息と言います。
少量なら体によいと言われているお酒ですが、仕事の付き合いで飲みに行ったり学生の飲み会など、なかなか適量を守れる人は少ないようです。
健康な人であれば、つい飲み過ぎても一時的な体調不良ですみますが(二日酔い)、喘息の人の場合実はそうはいきません。
アルコールが喘息発作を引き起こすワケ
なぜアルコールは喘息患者にとって有害になってしまうのか?
それは、アセトアルデヒドの仕業という説があります。アセトアルデヒドは、お酒に含まれるアルコールが分解されたときに発生する物質であり、 二日酔いや悪酔いの原因となるものです。そのままでは有害ですが、アセトアルデヒド脱水素酵素の働きによって、無害な酢酸に分解されるという性質を持っています。
しかしアルコールを摂取しすぎると、分解が追いつかなくなりますので体内に残り、肥満細胞からヒスタミンを遊離させてしまいます。
ヒスタミンは気管支の平滑筋を収縮させる物質ですので、喘息発作を引き起こしてしまうのです。
ちなみにアルコールは、ビール、日本酒、ワイン、ウイスキー、焼酎、ウォッカなどどのお酒にも含まれていますが、ご存知の通り含有量は違います。
喘息の人はお酒を飲まないのがベストですが、どうしても飲まなくてはいけないときは様子を見ながら飲みましょう。特に度数の高いお酒には特に注意してください。
万が一の為薬の用意や周りの人に状況を把握してもらう事も大事かもしれませんね。
喘息治療は周りの方々の意識と協力が必要なのです
年間、約2000人の方が喘息発作によって命を落としているのをご存知ですか?
それなのに喘息はいまだに軽視されがちな病気です。喘息患者さん本人のみならず家族や周りの人も真剣に喘息を向き合わなければ治療のできない病気です。
お酒を飲むと咳が出る人いませんか?風邪が治ったのに咳が長く続いている人はいませんか?もしかしたらあなたは喘息なのかもしれません。一度診察して頂く事をお勧めします。