乳がん・卵巣がんの発症頻度

日本人女性が生涯のうちに乳がんを発症するリスクは約8%、卵巣がんは約1%と言われています。このうち、実に約10%の乳がん・卵巣がんで”遺伝”が関係していると言われます。逆に90%のがんは遺伝ではない生活習慣などの環境因子が大きく関係することが分かっています。
近年、がんに関する数々の研究によって、”遺伝性”のがんの原因遺伝子が特定されるようになり、様々な検査法や治療法への応用に向けて取り組みがなされています。

乳がん・卵巣がんの中で、遺伝に関係する遺伝子とは。

では、遺伝する「乳がん」「卵巣がん」の遺伝子とはどのようなものなのでしょうか。また、どのようにすると遺伝性か否かの判断がつくのでしょうか。この点に関しては、がんの患者さんが複数見られる家系調査研究で、がんの発症と関連している”2種類”の遺伝子が同定さました。この同定された遺伝子は、BRCA1遺伝子、BRCA2遺伝子と名付けられ、現在では、国内の医療機関でも検査(血液検査)が可能となっています。また、この2種類の遺伝子は男女関係なく誰でももっている遺伝子ですが、生まれつきこの遺伝子のどちらかに乳がんや卵巣がんの発症に関与する変化(病的変異)があると、乳がんや卵巣がんなどになりやすいことが分かったのです。

画像: 乳がん・卵巣がんの中で、遺伝に関係する遺伝子とは。

遺伝性のがんかどうかの可能性は?

ご自身でがんになってしまうことは非常に悲しいことではありますが、最も避けたいことは、更にお子様へ遺伝するのではないかという心配が生じることではないでしょうか。もし、皆様が乳がんを発症し、かつ次にあてはまる血縁者がいらっしゃる場合は、BRCA1遺伝子もしくはBRCA2遺伝子に何らかの影響が出ている可能性があります。また、お母様やご家族の中で乳がん・卵巣がんを発症され以下3点に関しても当てはまる場合、皆様ご自身のお身体でがん発症に関して注意が必要かもしれません。
① 50歳以下で乳がんを発症した ②卵巣がん/卵管がん/腹膜がんを発症した ③ 乳がんや膵がんを発症した血縁者がいる(2人以上)もし、この3点に当てはまるような方は、念のため医療機関での検査をお受け頂くと良いかもしれません。

遺伝性発症のがんかどうかが分かるメリットとは

最近では、乳がん・卵巣がんの発症リスクを知るために、医療機関での血液検査を希望される方が少しずつ増えています。では、遺伝性のがん遺伝子を持つかどうか、血液検査によって判明した場合、一体どのようなメリットがあるのでしょうか。以下、3点が大きなメリットと考えられていますので気になることがありましたら、一度医療機関でご相談してみてはいかがでしょうか。*HBOC: Hereditary Breast and/or Ovarian Cancer Syndrome(遺伝性乳がん・卵巣がん症候群)の略です。

HBOCと診断されると、それに合った治療や検診の選択肢ができます。
HBOCと診断された方の血縁者も、その可能性を調べることができます。
正しい診断による個別化医療が、早期発見・治療・予防を可能にします。

画像: 遺伝性発症のがんかどうかが分かるメリットとは

発症リスクは25倍

BRCA遺伝子の異常があると、どの程度がんになりやすいのでしょうか。この疑問に対する回答が、欧米の研究で明らかになりました。この研究結果から、BRCA1遺伝子・BRCA2遺伝子のいずれかに変異がある場合の乳がんの発症リスクは、そうでない場合と比べ、50歳までで16~25倍、70歳までで8~12倍になるというデータが出ています。また、両乳房の発症や再発率が高いことも分かっています。

画像: 発症リスクは25倍

遺伝子検査を受けるべきか。心強い遺伝カウンセラーの存在。

遺伝子検査は、健康状態の将来的なリスクの参考にするためには非常に有益な検査といえます。しかし、遺伝子検査で異常が見つかったからといって、必ず将来的に疾患発症に繋がるわけではありません。ところが、情報の伝わり方や理解の度合いにより、遺伝子検査に関しては間違った認識を持ってしまうケースが少なくありません。そのため、検査を受けるにあたっては受診の有無に関係なく、医師・看護師・遺伝カウンセラーによる「遺伝カウンセリング」を受けることで、より安心して検査を受けることができます。遺伝カウンセリングは、遺伝に関する不安や疑問に対し、各専門家による適切な情報提供を通し、自ら選択肢を選べるようにサポートします。遺伝性乳がん・卵巣がん症候群(HBOC)に関する遺伝カウンセリングは、「遺伝診療部」や「遺伝外来」などを開設している医療機関で受けることができますので、ご参考にされてはいかがでしょうか。

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