肝内胆管がん

女優の川島なお美さんが54歳の若さでお亡くなりになられました。その原因となった病名は「肝内胆管がん」。あまり聞き慣れない病名ですが、実は日本では年間約2万人程の方が発症、1万8千人が死亡しているともいわれます。また、人口10万人当たりの発生は世界中で日本が最も多いのも特徴の一つです。

胆管って、肝臓?胆嚢?

「肝内胆管がん」は原発性肝癌の一種で、肝臓原発の悪性腫瘍の中で2番目に多く胆管細胞癌とも呼ばれます。胆管とは、肝臓で作られた胆汁を十二指腸まで送り出す働きを持ちますが、肝臓内から肝臓の外側まで伸びています。また、肝臓の内部を走行している胆管に発生する癌を「肝内胆管がん」といいます。肝内胆管がんは、肝臓内の胆管細胞から発生するがんなので、肝細胞がんと一緒に肝がんとして扱われることが多く、単に「胆管がん」と言う場合には、主に肝外胆管がんを指します。

画像: cancertp.seesaa.net

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腫瘍の発見は

肝内胆管は、肝臓の細胞に囲まれ肝臓内を走行している管ですので、身体の中心部分に位置する管ともいえます。そのため、痛み・違和感などの症状がなかなか感じにくく、診断された時点ですでに進行していることが多いため、早期診断が困難な疾患の一つでもあります。また、他の癌と比較しても確固たる診断方法や治療法は確立しておらず、治療の第一選択とされる手術でも、手術の可否に関しては医療機関間で差が存在することも確かです。特に、肝臓の中心部分でもある肝門部にできた胆管がんは、一般的には外科切除は困難とされています。胆管がんに対して有効といえる治療法は外科切除をおいて他にないのが現状ですので、胆管がんと診断されたら、手術の可能性について必ず専門医に相談し決定することが得策と考えられます。

見逃してはならない症状

1.黄疸
胆管は癌ができることによって細くなり、遂には閉塞し胆汁が流れなくなります。閉塞した部分より上流(肝臓側)の胆管は圧があがってダムの上流の川幅が広くなるように拡張し、さらに圧力が上昇すると胆汁が胆管から逆流して血管の中にはいるようになり、胆汁中に含まれるビリルビンという黄色い色素のために皮膚や目の白い部分が黄色くなります。これを閉塞性黄疸といいます。
2.白色便
胆汁が腸内に流れてこなくなると便の色が白っぽいクリーム色になります。日本人は黄色人種のため、黄疸の程度が軽いうちは気がつかず、便の色が白っぽいことで最初に気がつくこともあります。
3.黄疸尿
血液中のビリルビン濃度が高くなると尿中に排泄されるようになり、尿の色が茶色っぽく濃くなります。
4.かゆみ
胆汁の中にはビリルビンのほかに胆汁酸という物質も含まれており、これが血管内に逆流すると皮膚のかゆみの原因となります。

画像: 見逃してはならない症状

医療機関で行われる検査は?

胆管がんの発見には、より正確な判断を行うために、いくつもの検査を組み合わせすことが一般的です。ここでは、医療機関で実際に行われる検査法に関して簡単に紹介します。
<1>血液検査
癌の発育により胆道が閉塞した場合、血液中の「ビリルビン」とよばれる物質が増加したり、胆道系酵素の”ALP”や”γ-GTP”が上昇します。また、胆管がんで上昇しやすいCA19-9やCEAとよばれる腫瘍マーカーもチェックするとより適切な判断が下せるようになります。
<2>腹部超音波(エコー)検査
肝臓内部の状況を痛みもなく簡単に確認する方法として超音波エコーが非常に便利です。肝内腫瘤、胆管の拡張などを調べるのに適しているばかりでなく、処置が必要な胆管閉塞があるかどうかの判断にとても有用です。超音波を利用した検査はこの他に、超音波内視鏡検査(EUS)、管腔内超音波検査(IDUS)などが存在します。超音波内視鏡検査(EUS)は、内視鏡の先端に超音波検査装置が付いており、肝門部領域胆管がんの血管浸潤や遠位胆管がんの壁内進展度診断に有用です。管腔内超音波検査(IDUS)は、十二指腸乳頭部から胆管に超音波プローブを挿入し、胆管内部を観察することができます。胆管がんの深達度診断、血管浸潤の垂直方向浸潤の診断、および壁内進展の診断に優れています。
<3>腹部CT検査
腫瘍の存在部位や大きさ、胆管の拡張程度や部位を調べることができます。また、3次元化した画像により、血管浸潤の評価も詳細に可能です。
<4>MRI検査
CTと同様に胆管の拡張や病変の存在部位・広がりを診断でき治療前の精密検査として行われることもあります。
<5>PET検査
放射性フッ素を付加したブドウ糖液を注射し、その取り込みの分布を撮影することで全身のがん細胞を検出する検査です。最近ではCTを併用したPET-CT検査が普及しています。リンパ節転移や遠隔転移の診断に優れています。

以上の検査の他に、肝内胆管のより詳細な確認と適切な診断・治療の為に行われる検査があります。

<磁気共鳴胆管膵管撮影(MRCP)>
MRIを撮影して得られた情報を基に、コンピューターを使って胆道、膵管の画像を構築する検査手法です。直接胆道造影では、発熱、胆管炎・胆のう炎、膵炎などの合併症のリスクがありますが、MRCPではこのような心配が必要無いため、直接胆道造影の前にMRCPを行う場合もあります。
<直接胆道造影>
胆管内へ細いチューブを挿入して造影剤を送り、X線撮影する検査です。黄疸治療として、流れなくなった胆汁を体の外に導出する処置も行うのが普通です。
<内視鏡的逆行性胆管造影(ERC)>
造影剤を注入して胆管や膵管のかたちを調べる方法です。視鏡を口から十二指腸まで挿入し、胆管と膵管の出口である十二指腸乳頭から細いチューブを入れることで確認ができます。
<経皮経肝胆道造影(PTC)>
皮膚から肝臓を経由して胆管に直接針を刺し、造影剤を注入する方法です。胆管の狭窄や閉塞の様子がわかり、腫瘍の存在部位や広がりの診断に有用です。
<胆道鏡>
直接胆管の中に細いファイバースコープを通し、造影剤を直接注入してX線撮影する検査です。胆管の粘膜内進展範囲の診断に有用で、粘膜から小さな組織片を採取し、腫瘍の広がりをより詳しく調べることが可能です。経口胆道鏡(POCS)は、内視鏡を口から十二指腸まで挿入する内視鏡的逆行性胆管造影(ERC)の経路を使用し経皮経肝胆道鏡(PTCS)では、皮膚からチューブを挿入する経皮経肝胆道造影(PTC)の経路を使用します。


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