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女性だけの特典:カモミールティーで貴方も長寿に

アメリカテキサス大学の研究班は、カモミールティーを飲用する”女性”はより長寿になれる可能性を秘めていると発表しました。この研究は、男女1677人を被験者として、カモミールティーを飲む習慣がある人と飲む週間の無い人に区別して調査を行いました。そして、被験者を実に7年間にもわたって追跡調査したところ、女性のカモミールティー愛飲者の死亡率はカモミールティーを飲まない女性に比べ実に29%も少ないという結果が出たのでした。しかし、男性ではこのような傾向は証明できず、女性に限ってのことと結論づけています。

カモミールは実は陰の万能薬

皆さんにとってカモミールは、あまり馴染みがないかもしれません。しかし、日本には江戸時代に既に「薬草」としてオランダなどから輸入されてたのです。そして、ヨーロッパでは4000年以上前から「医者の薬」ともいわれ、”医療用ハーブ”として幅広く活用されていたようです。かの有名なクレオパトラはカモミールを”安眠薬”として利用していたり、ピーターラビットの童話の中でもお腹を壊したピーターのためにお母さんがカモミールティーを飲ませるなど、鎮静・消炎作用がある薬草として広く利用されていたのです。

blog.lib.uiowa.edu

カモミールの効能

カモミールには一体どのような効能があるのでしょうか。数々の効能・効果があることが分かっていますが、代表的な効能を以下に挙げてみます。

風邪の初期症状・月経痛の緩和
カモミールは、体を温め発汗させる作用があるので、ヨーロッパでは、子どもが風邪の初期症状を緩和する薬茶として利用されています。また体が温まり血行がよくなることで月経痛を癒す効果も期待できます。

不眠に役立つリラックス効果
カモミールの花に含まれる精油には、神経を鎮めリラックス作用があるので、安眠に導き、疲労を回復する効果が知られています。

粘膜の炎症を鎮める
精油成分アズレンには炎症を鎮める働きがあり、特に口腔粘膜から食道、胃腸までの、消化器系の粘膜の炎症を抑えると言われてます。

口臭は、歯肉炎
口の中の炎症が原因となる場合が多いのですが、その場合にはカモミールティーを飲んだり、少し冷ましたティーをしばらく口に含んでおくと、歯肉炎・口臭予防に役立ちます。

抗酸化作用
カモミールティーがガン予防に役立つとテレビ番組で取り上げられた事があります。これは、カモミールに含まれているフラボノイド色素「アビゲニン」に抗酸化作用があるためです。

”糖化”を抑える効果にも期待

近年、お肌のシミやシワ、心筋梗塞や癌・アルツハイマーといった加齢に伴う病気の発症に関係するものとして注目されている「糖化」。糖化とは、体内の余分な糖分が蛋白質と結びつく反応を言い、たんぱく質や脂肪などが余分な糖と反応して、分解されにくいAGEs【最終糖化産物】に変性してしまうという現象のことを指します。ヒトの身体の中では、糖化により、AGEsがたくさんできると、強力な老化促進物質をつくり出してしまい、身体の細胞がどんどん老化することにつながってしまいます。
ところが、カモミールに含まれている「カマメロサイド」という物質は、糖化により生成されるAGEsの一部の生成を阻害する効能があるため、細胞の老化を防ぐのではないかと考えられています。細胞の老化=若々しい身体の維持=”長寿”という関連性は、今回の研究班の発表結果にもつながるのかもしれません。

カモミールの効果を生活に取り入れてみてはいかがでしょうか。

今回の研究発表では、カモミールティーの飲用が健康な身体を維持することに繋がるというものでした。ハーブティーが苦手な方やカモミールの独特の匂いが苦手という方もいらっしゃるかもしれません。そのような方には、飲用だけでないカモミールの活用方法もありますのでご安心を。
古代からあらゆる用途で活かされていたという実例を元に、今でも入浴剤やスキンケア用品等にもカモミール成分が活かされています。カモミールは、抗炎症作用・鎮静・鎮痛・抗菌作用・保湿効果等あらゆる効能を持ち合わせているため、あらゆるシーンで活用できる万能薬。今後、更に研究が進み、あらゆるシーンでの用途が増えそうですね。

カモミールに関するこれまでの研究の一例 

カモミールの作用に関しては、これまでも数々の研究発表がありますが、以下にその一部を紹介致します。

カモミールのリラックス効果
カモミールティーや温めて食べるカモミールゼリーが自律神経活動に影響を与え副交感神経優位をもたらし、この現象と相関し感情評価尺度によるリラックス感得点が上昇することが明らかにされた。
http://eprints.lib.hokudai.ac.jp/dspace/bitstream/2115/14686/1/2005-97-95.pdf

カモミールの催眠作用
睡眠障害ラットの睡眠覚醒サイクルに対するカモミールとパッシフローラ抽出物の効果について睡眠解析装置を用い検討。カモミールおよびパッシフローラ抽出物の用量を上げるにつれて、睡眠障害ラットの睡眠導入所要時間が短縮し、カモミールでは300mg/kg、パッシフローラについては3000mg/kgの用量から有意な短縮作用を有することが明らかになりました。
https://www.ogawa.net/study/06_01_02.html

薬物による糖尿病摂取マウスにおいて、カモミール抽出物を1日500mg / kg 、21日間摂取させたところ、血糖値の上昇が抑制され、また肝臓内のグリコーゲン量が増加。カモミール抽出物は、血糖値上昇に関連する酵素アルドース還元酵素を抑制することから、血糖値上昇抑制効果や抗糖尿病効果が示唆されました。
http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/18681440

薬物誘発糖尿病ラットにおいて、カモミール抽出物を1日100mg/kg 、14日間摂取させたところ食後血糖値の上昇や酸化ストレスが軽減され、膵臓ランゲルハンス島細胞も保護され、抗糖尿病効果が示唆されました。
http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/18404309

老齢マウスにカモミールに含まれるフラボノイドの一種カミロフランを摂取させたところ、胆汁酸分泌量が増加し、胆汁分泌効果と肝臓脂質減少効果があることが示唆されました。
http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/16201153